野立ての太陽光発電における発電量については、天候次第なので自分ではどうしようもないと思っている人も多いと思います。
でも、はたして本当にそうでしょうか?
今回は、太陽光発電における発電量を向上させる方法について考えてみます。
発電量について
太陽光発電の発電量は、システム容量(KW)× 日射量 × 損失係数(発電量を下げる要因)で求められます。
産業技術総合開発機構(NEDO)によると、損失係数は0.73としています。
損失係数(発電量を下げる要因)には、以下のようなものがあります。
- 気温
- パネルの汚れ
- 経年劣化
気温
太陽光パネルの最大出力は、気温25度の環境下で実験された数値になります。気温25度を1度超えるたびに、最大出力は0.5%低下するといわれています。
パネルの汚れ
パネル表面の汚れも、発電量の低下につながります。鳥の糞など一部分だけの汚れでも、パネル全体に影響する可能性があります。
経年劣化
パネルの経年劣化によって、毎年少しづつ発電量は低下していきます。
発電量の推移を確認するためには、エコめがね等の遠隔監視装置が必要になります。遠隔監視装置があれば、発電量がゼロになっている等の事態をいち早く察知することができ、発電の機会損失を最小限に抑えることができます。
発電量を向上させる方法
発電量を向上させるには、以下のような方法があります。
- パネルの角度
- 草刈り
- パネル洗浄
- 除雪
パネルの角度
太陽光パネルを、適正な角度で設置することはとても重要です。
地域によって適正な角度は異なりますので、よく調べてから設置するべきです。業者の意見を、うのみにするのも禁物です。
適正な角度は、「NEDO日射量データベース閲覧システム」という無料のソフトをダウンロードすれば調べられるので、ぜひ活用してみてください。
草刈り
パネル周辺の雑草が高く生い茂ってくると、雑草の陰で発電量が低下する可能性があります。
また、パネルの下部に雑草が増えてくると通気性が低下してくるので、熱がこもりやすくなります。太陽光パネルは高温になるほど発電量は低下しますので、たかが雑草といえども影響はあるのです。
草刈りの注意点としては、作業時に誤って送電ケーブルを切断しないように、あらかじめ場所を確認しておきましょう。
パネル洗浄
太陽光パネルが汚れていると、発電量に悪影響を及ぼします。
更に、鳥の糞などが長時間付着したままになっていると、パネルの故障・火災の原因になります。通常の汚れは雨で流されるのですが、雨が少ない時期等は汚れが蓄積されやすいので洗浄した方が良いでしょう。
やり方としては、雑巾等ではパネル状の砂ぼこり等で、傷をつけてしまう恐れがあるのでおすすめできません。ホースや水鉄砲のようなもので、洗い流すのが良いでしょう。
パネル洗浄において注意したいのが、パネルに傷をつけないように洗浄することです。鳥の糞などの目立った汚れだけを取り除くようにして、パネルに傷をつけるリスクを減らした方が良いでしょう。
除雪
最も発電量に悪影響を及ぼすのが、パネルの上に積もった雪です。
パネルの上に雪が積もってしまうと、発電量はゼロになってしまいます。パネルの角度が30度以上あれば自然に落ちやすいのですが、そうでない場合はなかなか落ちないので、除雪をしないとずっと発電量はゼロのままとなります。
気温が低い日が続くとなかなか雪が落ちないので、天気予報を確認して早めに除雪するようにしましょう。
まとめ
野立ての太陽光発電については、ほったらかしでメンテナンスをしていない人も多いと思います。
パネルのメンテナンスや草刈りは発電量の向上だけではなく、発電所の老朽化防止にもつながります。
定期的に見回りをすることによって、破損や事故等を未然に察知することもできますので、定期的に行うようにしましょう。
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