ソーラーシェアリングとも呼ばれている、営農型太陽光発電に注目が集まっています。
しかし、通常の太陽光発電とは異なるいくつかの注意点があります。
今回は、営農型太陽光発電のメリット、デメリットについて考察します。
【基本】営農型太陽光発電とは?
営農型太陽光発電とは、農地で農業をやりながら同じ土地で太陽光発電も行うものです。
通常の太陽光発電よりも架台を高くすることで、太陽光パネルの下で農業をすることが可能になります。
脱炭素社会への政府の後押しもあり、近年急速に広がりをみせています。
営農型太陽光発電のメリット
営農型太陽光発電のメリットには、以下のようなものがあります。
- 農業収入と売電収入を同時に得られる
- 農地転用する必要がない
農業収入と売電収入を同時に得られる
太陽光パネルの下で農業をすることで、農業収入と売電収入を同時に得ることができます。農業だけでは十分な収入が得られない場合でも、売電収入を組み合わせることで持続可能な経営が可能になります。
農地転用する必要がない
農地で太陽光発電事業をするためには農地転用しなければできないのですが、農業委員会等の許可が必要であり、特に農業振興地域であれば認められないケースが多いです。
しかし、営農型太陽光発電の場合は地目を変える必要はありません。(一時転用の許可は必要)
営農型太陽光発電のデメリット
営農型太陽光発電のデメリットには、以下のようなものがあります。
- 農業で一定の収入を得る必要がある
- 通常の太陽光発電より設備が高額になる
- 農作物への日照量が低下する
農業で一定の収入を得る必要がある
営農型太陽光発電の場合、農地へ設備を設置する際に農地の一時転用の許可を取る必要があるのですが、条件として周辺農地の平均収入の8割以上の収入を得る必要があります。もともと農業で収入を得ていた人は特に問題ないと思うのですが、 農業経験がない人はかなり高いハードルとなります。
通常の太陽光発電より設備が高額になる
農作物の上に太陽光パネルを設置するため架台を高くする必要があり、その分費用が高額になります。
農作物への日照量が低下する
農作物の上に太陽光パネルを設置するのですから、当然日照量は低下します。多くの日照量を必要とする作物の場合、営農型太陽光発電は向いていません。
【結論】営農型太陽光発電はやるべきか?
営農型太陽光発電には向き不向きがあり、主に以下のように分かれます。
営農型太陽光発電をやったほうが良い人
- もともと農業をやっている
- 耕作放棄地を所有している
もともと農業をやっている
営農型太陽光発電では農業の単収で一定の収入を得るのが条件となりますが、もともと農業をやっている人であれば特に問題にはならないでしょう。
耕作放棄地を所有している
耕作放棄地のままでは資産として何も生み出さず、管理費用だけがかかり続けるので、 営農型太陽光発電を活用した方が良いでしょう。
また、耕作放棄地であれば、農業の単収で一定の収入を得る条件の適用外になる可能性もあるので、農業経験のない人でも始めやすくなります。
営農型太陽光発電をやらないほうが良い人
- 農家ではないが太陽光発電をやりたい
- 栽培する作物が多くの日照量を必要とする
農家ではないが太陽光発電をやりたい
営農型太陽光発電では農業の単収で一定の収入を得るのが条件となるので、農業経験がない人だとノルマ達成は非常に困難になります。
ただし、 耕作放棄地であれば、農業の単収で一定の収入を得る条件の適用外になる可能性もあるので、農業経験のない人でも始めやすくなります。
栽培する作物が多くの日照量を必要とする
太陽光パネルの下は日陰になるので、作物に当たる日照量は少なくなります。そのため、生育に多くの日照量を必要とする作物は営農型太陽光発電に向いていません。
まとめ
- 営農型太陽光発電にはメリットとデメリットがある
- 営農型太陽光発電はやったほうが良い人とやらないほうが良い人がいる
営農型太陽光発電には持続可能な農業経営を可能にし、脱炭素社会へも貢献することが期待されています。
しかし、安易に導入すると大きく後悔する可能性もあるので、慎重に検討するようにしましょう。
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